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琉球スピリットを感じる旅

琉球ロマンを走ってみよう

 豊かな自然、長い歴史、独自の伝統文化を有する沖縄は、神話のロマンから日々の暮らしのお役立ちスポットまで、島中にお祈りをする場所がいっぱいです。それらの場所を訪れれば脈々と流れる琉球の精神を感じることができます。
 とはいっても、必ずしも疲れたときや願い事があるときに行くというものではありません。沖縄の人たちは、近くまで来たついでとか、ちょっと一息入れるためとか、あるいは散歩がてらとかに訪れることも多いのです。
 なのでランニングやサイクリング中にも気軽に立ち寄ってみましょう。ただし、信仰の対象となっている聖地や、地元の人々が大切にしている拝所などもたくさんありますので、「大人」としての配慮をお忘れなく。そうすれば、神様や自然から「気」がもらえてスポーツの疲れが取れ、さらに元気になれるかもしれませんよ。

本島編

南部
1 斎場御嶽(せーふぁうたき)

 2000年、世界遺産に登録された。自然の岩に囲まれた神秘のパワーを感じる祈りの場。琉球の祖神アマミキヨによって作られた七御嶽のひとつで、最も神聖な聖地とされ、琉球の創世神話にも登場する。琉球王朝時代には祭事にも利用され、もともとは男子禁制の場所だった。特に女性にご利益が高いといわれている。神域は6か所。そのうち最も格式高い場所とされるのが三角形の岩の壁「三庫理(さんぐーい)」で、そこを抜けると海の向こうに神の島「久高島」を望むことができる。

★沖縄観光マラニック
南部のパワースポットを巡るラン

  • 所在地/南城市知念久手堅
  • TEL/098-949-1899(緑の館セーファ)
  • 時間/9:00~18:00(入場は17:30まで)
  • 入場料/大人200円、小中学生100円
  • アクセス/那覇空港自動車道南風原北ICから車で約30分

2 垣花樋川(かきのはなひーじゃー)

 11月に開催される尚巴志ハーフマラソン in 南城市のコース近くとなっていて、1985年に日本の名水百選に選定された水場。海を見晴らす場所にあり、集落の生活水としても利用されている。清らかな水に元気をもらえるスポット。(高橋尚子さんもラン百選で実際に走っているコース!)

  • 所在地/南城市玉城垣花812
  • TEL/098-946-8817(南城市役所観光・文化振興課)
  • アクセス/那覇空港自動車道南風原南ICから車で約20分

3 ヤハラヅカサ・浜川御獄(やはらづかさ・はまがーうたき)

 本島東海岸にある百名ビーチや、琉球での稲作発祥の地と伝えられる聖地の「受水走水(うきんじゅはいんじゅ)」の近くに位置する。琉球開びゃくの神アマミキヨがニライカナイから上陸した際の第一歩を印した場所とされる岩礁が「ヤハラヅカサ」、その後仮住まいをしたといわれるのが「浜川御嶽」である。いずれも琉球王国時代、国王や聞得大君が四月の稲穂祭に参拝した聖地であり、現在も首里城の東方にある霊地を巡拝する東御廻い(あがりうまーい)で多くの人が訪れる拝所になっている。
ビーチの砂浜を歩きながら、心地良い気分になる感覚はここでしか味わうことが出来ない。

ヤハラヅカサ・浜川御獄
  • 所在地/南城市玉城百名
  • アクセス/那覇空港自動車道南風原南ICから車で約20分

4 ガンガラーの谷

 数十万年前まで鍾乳洞だった場所が崩壊したあとにできた、マイナスイオン溢れる亜熱帯の森。約1万8000年前に生きていた「港川人」が住んでいたかもしれないというロマンも秘める。自然の気が邪気を祓い、縁結びや子宝にご利益があるとされるイキガ洞、港川人の発掘調査が進む洞窟などがある。15mもの根を伸ばす、樹齢150年の「大主(うふぬし)ガジュマル」は、「神の木」とも呼ばれる。洞窟を利用したカフェでは、コンサートなどのイベントも行われる。谷内は予約制のガイドツアーのみ入場可。

  • 所在地/南城市玉城前川202
  • TEL/098-948-4192
  • 時間/9時~18時(予約受付)
  • ツアー料金/2000円(約1時間20分)
  • アクセス/那覇空港自動車道南風原南ICから車で約15分
  • http://www.gangala.com

那覇
5 首里城(しゅりじょう)

 首里城は、1429年から1879年まで450年に渡って続いた琉球王国の中心となった城。首里城跡は2000年に世界文化遺産に登録されている。数回の焼失を経ており、現在の正殿などは1992年に復元されたもの。建築物には中国の影響を受けつつ独自の発展を遂げた琉球文化の特徴が色濃く見られ、さらに「京の内」と呼ばれる、神女たちが祭祀を行った聖域や、王宮の飲用水にも利用されていた湧水の泉があり、拝所なども多い。龍の運気に守られているといわれている。城周辺には園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)や玉陵(たまうどぅん)、識名園などの世界遺産群もある。

★琉球の時を感じる”首里城ラン”
一度は首里城周辺を軽く走ってみるのも”RUN旅”ならではの楽しみ方。

  • 所在地/那覇市首里金城町1-2
  • TEL/098-886-2020
  • 時間/8:30~19:00(12~3月は~18:00、7~9月は20:00)
  • 入場料/大人820円、高校生620円、小中学生310円
  • アクセス/ゆいレール首里駅から徒歩約15分
  • http://oki-park.jp/shurijo/

6 首里金城の大アカギ

 首里金城町石畳道の近く、静かにたたずむ内金城嶽(うちかなぐしくたき)を守るように、樹齢200年以上、なかには300年ともいわれる樹高約20mの大アカギ6本がそびえる。神が降りてきて願いを叶えるといういい伝えもある。王朝時代から信仰され、辺りは神聖な気に満ちている。国指定の天然記念物でもある。
石畳道をランで駆け上がってもいいし、ウォーキングでゆっくり歩いても風情ある町並みを巡って観るのもいい。

★沖縄観光マラニック
風情溢れる古都を周遊

  • 所在地/那覇市首里金城町3-18-20
  • アクセス/ゆいレール首里駅から徒歩約20分

7 波上宮(なみのうえぐう)

 隆起したサンゴ礁の断崖の上、青い海を見晴らす場所に建つ「琉球八社」のひとつ。琉球王国時代から海上交通の安全や豊漁、豊穣を司る神社として知られ、特に海外で活躍する人にご利益があるといわれている。結婚式にも人気の神社。
泊大橋近くなので、走っている途中で立ち寄ってみるのもよい。

  • 所在地/那覇市若狭1-25-11
  • TEL/098-868-3697
  • アクセス/那覇空港から車で約10分
  • http://naminouegu.jp/

中部
8 普天満宮(ふてんまぐう)

 15世紀に創建されたとされ、琉球国府から特別な扱いを受けた「琉球八社」のひとつ。沖縄戦で破壊されたが1950年に再建された。航海安全、豊漁、五穀豊穣、交通安全、縁結び、安産、商売繁昌、学業成就などにご利益があるといわれ、中部地区の聖地として信仰されている。正月の初詣でも多くの参拝者が訪れることで知られる。

  • 所在地/宜野湾市普天間1-27-10
  • TEL/098-892-3344
  • 時間/拝観自由(奥宮は10時~17時)
  • アクセス/沖縄自動車道北中城ICから車で約10分
  • http://futenmagu.or.jp/

9 果報バンタ(かふうばんた)

 うるま市宮城島にあって太平洋を見晴らす絶景の岬。世界一の天然ミネラル含有量としてギネスブックにも認定され、アスリートの体づくりにも最適と人気の塩「ぬちまーす」を製造している製塩工場の敷地内にある。果報(かふう)とは沖縄の方言で”幸せ”という意味で、ここは幸せを呼ぶ岬として人気がある。眼前に広がる真っ青な空と海でリフレッシュし、元気がもらえる。製塩工場で販売されているソープやマッサージソルトも人気。
ぬちまーすカフェたかはなりの「スーチカ」は人気No1サイクリングやランニングでの食事には最高。海中道路を突き進み島々を渡り、十分に楽しめるコースだ。

※「スーチカー」とは、「スー」=「塩」、「チカー」=「漬ける」という意味の豚肉の塩漬け。豚の三枚肉(バラ肉)をたっぷりの塩でじっくり漬けて作る沖縄の伝統料理。

  • 所在地/うるま市与那城宮城2768
  • TEL/098-983-1111(ぬちうなー)
  • 時間/9:00~17:30(ショップ・製塩工場)
  • アクセス/沖縄自動車道沖縄北ICから車で約40分

10 浜比嘉島(はまひがじま)

 太平洋の上をまっすぐに伸びる海中道路と浜比嘉大橋を渡った先にある美しい島。琉球開びゃくの神アマミキヨとシネリキヨの伝説が残る神秘の島でもある。108段の階段を上がった先に位置し、子宝に恵まれるという霊石のある「シルミチュー霊場」や、アマミキヨとシネリキヨを祀る岩屋「アマミチューの墓」などの聖地がある。他にも数多くの聖地が点在し、子宝や五穀豊穣を願って県内外から多くの人が参拝に訪れる。
毎年、4月にはあやはし海中ロードレース大会、7月にはあやはしトライアスロン大会が開催される。
浜比嘉島にはペンションやホテルもあるので、朝日を楽しみながらのランやサイクリングも気持ちいい。

  • 所在地/うるま市勝連
  • アクセス/沖縄自動車道沖縄北ICから車で約40分

北部
11 名護のひんぷんガジュマル

 樹齢300年超、精霊が宿るといわれる魔除けのガジュマルの大木。”ひんぷん”とは、沖縄の伝統的な屋敷の庭の入口に建てられ、正面からくる魔物や災いを跳ね返すとされる塀のこと。名護の入口に立ち、ひんぷんのように街に入ってくる魔物を跳ね返す守護木として大切にされている。国指定の天然記念物でもある。近くに川が流れていて、川沿いを海に向かってウォーキングしながら探索するのも大変心地よい。

  • 所在地/名護市東江
  • アクセス/沖縄自動車道許田ICから車で約10分

12 比地大滝(ひじおおたき)

 やんばるの自然を感じる約40分の滝までのトレッキングコースやキャンプなどで、マイナスイオン溢れる自然を楽しめる人気のアウトドアスポット。入口には拝所もあり、癒しと気の力を感じる場所となっている。

  • TEL/0980-41-3636
  • 入場料/大人500円、小中学生300円
  • アクセス/沖縄自動車道許田ICから車で約50分+徒歩約40分

13 喜如嘉の七滝(きじょかのななたき)

 長寿の里として知られる喜如嘉の人々に古くから飲用水として利用されていた。滝の入り口には鳥居や御嶽(拝所)があり、現在も信仰の対象として大切にされている。20mの高さから滝壺に落ちるまでに、流れの軌道が七回も変わることから”七滝”と呼ばれている。風水で理想的な四神の地にあるとされ、清々しい大地の気に満たされる。

  • 所在地/大宜味村喜如嘉
  • TEL/0980-44-3232(大宜味村役場経済課)
  • アクセス/沖縄自動車道許田ICから車で約1時間

14 今帰仁城跡(なきじんじょうあと)

 2000年、首里城などとともに世界遺産群として登録された。龍の通り道とされ、その様子を模したといわれる美しいカーブの城壁が残る古城跡。桜の名所としても知られ、1月には桜祭りや一番桜ノルディックウォーキングなども開催されている、御嶽や拝所などもあり、良縁、家庭円満、健康のご利益があるとされている。珍しい世界遺産ウエディングなども行われている。

  • 所在地/今帰仁村今泊5101番地
  • TEL/0980-56-4400
  • 時間/8:00~18:00
  • 入場料/大人400円、小中高生300円
  • アクセス/沖縄自動車道許田ICから車で約40分

15 古宇利島(こうりじま)

 周囲約8kmの円形の島で、天然の砂浜もあり、シーズン中は海水浴客でにぎわう。別名「恋の島」とも呼ばれ、アダムとイブの物語に似た伝説がある。島北部のティーヌ浜にあるハート型の岩「ハートロック」に恋愛祈願をしに行くカップルも多い。また人気のランニングコースやサイクリングコースとなっている。
古宇利大橋手前の駐車場から約2kmの橋をウォーキングするだけでも楽しい。

★神の島・恋の島を走ろう

  • 所在地/今帰仁村古宇利
  • TEL/0980-56-2256(今帰仁村役場経済課)
  • アクセス/沖縄自動車道許田ICから車で約35分

16 大石林山(だいせきりんざん)

 2億年の時を経た熱帯カルスト地形が作り出す奇岩巨石の造形に圧倒される。大石林山のある「安須杜(あしむい)」は、琉球の祖神アマミキヨが最初に作ったとされる聖地で、精霊が宿るといわれる仙人ガジュマルや、その下を3回くぐれば生れ変るといわれる石などが点在。気軽にトレッキングも楽しめる。

  • 所在地/国頭村宜名真1241
  • TEL/0980-41-8117
  • 時間/9:00~17:00(時期により異なる)
  • 入場料/800円
  • アクセス/沖縄自動車道許田ICから車で約1時間15分
  • http://www.sekirinzan.com/

離島編

17 宮古島
仲原鍾乳洞(なかばりしょうにゅうどう)

 個人所有のサトウキビ畑の中にある鍾乳洞で、ドリーネ型の窪地の下に入口があり、その奥は250mにもなる。内部は年間を通して気温が20度で一定なことから、泡盛の天然貯蔵蔵としても利用されていて、宮古島産の泡盛を持ち込めばボトルキープも受付けてくれる。縁結びや子宝祈願の場所として知られ、そのご利益に預かった人々からの報告も多いという。毎年10月頃にはエコアイランド宮古島マラソンが開催される。

  • 所在地/宮古島市城辺友利1114
  • TEL/0980-77-7300
  • 時間/10:00~17:00(予約制)
  • 入場料/大人500円、子供300円
  • アクセス/宮古空港から車で約20分
  • ※不定休あり

18 石垣島
川平湾(かびらわん)

「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で三つ星に輝いた、鮮やかなエメラルドグリーンと真っ白な砂浜が美しい入り江。グラスボートで海中のサンゴや色とりどりの熱帯魚を鑑賞できる。かつて風待ちの港だった川平湾には、安全を祈願する「川平観音堂」や、浜辺の近くには立入が禁止された祭祀を行う聖地「浜崎御嶽」などがある。毎年10月にはGREAT EARTH 石垣島ライドや新年1月には石垣島マラソン大会が開催される。

★フォトレポート GREAT EARTH 第8回 石垣島ライド135km

  • 所在地/石垣市川平
  • アクセス/南ぬ島石垣空港から車で約50分

19 伊江島
ニャティヤ洞(にゃてぃやがま)

 女性が持ち上げると子宝に恵まれるという「力石」がある。戦時中は防空壕として多くの人命を救ったため「千人洞(ガマ)」とも呼ばれる。4月には伊江島一周マラソン大会が開催される。同時期の4月中旬~5月上旬にかけて、百万輪のテッポウユリが咲き誇るゆり祭りが開かれ、多くの観光客でにぎわう。

  • TEL/0980-49-2906(伊江村役場商工観光課)
  • アクセス/本部港から伊江港までフェリーで30分、伊江港から車で約10分

20 久米島(くめじま)

 女岩とも呼ばれ、女性が拝むと子宝に恵まれるとされる「ミーフガー」という岩がある。この島では近海から汲み上げられる海洋深層水の利用が盛んで、世界初となるミネラル豊富な深層水を利用したスパ施設などがある。
10月には久米島マラソン大会、11月にはシュガーライド久米島が開催され、車海老フェスタもありグルメも楽しめる。

★第4回「シュガーライド久米島」 ムービーレポート
★フクギの里とサトウキビ畑久米島コース(ポタリング)

アクセス/那覇空港から飛行機で約35分、那覇港から船で3時間~4時間

21 久高島(くだかじま)

 琉球の祖神アマミキヨが初めて降り立ったとされる「カベール」をはじめ、北側にはいくつもの聖地があり、数多くの琉球神話伝説が残る「神の島」。島では年に20回以上の祭祀があり、現在では過疎化により途絶えているが、「神女」になるための神事「イザイホー」も12年に一度行われる。数百年に渡って島民たちが守り続けてきた立入禁止の聖域もあり、島そのものが沖縄を代表する聖地といえる。
2月に開催されるECOスピリットライド&ウォークin南城市のコースにはパワースポットライドコースも設定されている。

  • 所在地/南城市知念久高
  • TEL/098-948-7803(久高島離島振興総合センター)
  • アクセス/安座真港から高速船で約20分、フェリーで約25分

22 伊平屋島
クマヤ洞窟(くまやどうくつ、くまやがま)

「籠る(こもる)」を意味する「クマヤ」という名を持つ洞窟は島の北側にある。岩の裂け目のような小さな入口からは想像できないほどの広い空洞を内部に持ち、全国に数多くある天岩戸伝説の最南端の地としても有名。太陽神である天照大神(あまてらすおおみかみ)が籠もったというこの伝説から、伊平屋島は太陽神を表す古語の「てるしの」の島とも呼ばれている。洞窟の中は拝所になっていて、その奥には祠がある。島には他にも聖域や拝所が点在している。
10月頃には伊平屋ムーンライトマラソンが開催され、走り終わった次の日に拝所めぐりをしても楽しめる。

  • 所在地/伊平屋村田名
  • アクセス/運天港から前泊港までフェリーで約80分、前泊港から車で約20分